2022年度社会情報学会(SSI)学会大会シンポジウム
共創・共感・共苦のメディアとしての社会情報学

登壇者

パネリスト:竹之内禎氏(東海大学ティーチングクオリフィケーションセンター准教授)
千 錫烈氏(関東学院大学社会学部教授)
河原理子氏(ジャーナリスト、東京大学大学院情報学環特任教授)

コメンテーター:木村忠正氏(立教大学社会学部教授)
司会:渡辺祥子氏(フリーアナウンサー、朗読家、情報誌『りらく』編集長)

概要

社会情報学の研究・教育活動の目的の一つは、他の人の生きる意味をともに創り、感じ、苦しみを支えるメディアの役割を果たすことではないだろうか。「共創・共感・共苦」は、ヴィクトール・E・フランクルが「生きる意味」の類型として挙げた「創造価値・体験価値・態度価値」に対応させた概念である。創造価値とは、人が世界に対し何かを生み出すとき、その人の内側に実現される価値である。体験価値とは、人が世界から何かを受け取るとき、その人の内側に実現される価値である。そして態度価値とは、変更不可能な状況がもたらす苦悩に対して、人が「それでも人生にイエスと言う」という態度を取るときにその人の内側に実現される価値である。このように、本来、生きる意味とは個人に固有のものであるが、それが起こる契機として「共に」創造し、体験し、苦悩するという場面がある。社会情報学の研究・教育活動が、生きる意味の探求・発見・実現を支援することに寄与できるとしたら、どのような場面だろうか。

この問いに対して、本シンポジウムでは、情報倫理学の理論研究、被災地図書館復興支援プロジェクト推進、ジャーナリズムの立場を持つ三人の論者から、生きる意味の探求・発見・実現に寄与するメディア(媒介)としての社会情報学の可能性について、関連する実践事例を示しながら意見交換を行う。

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