30分でQRコード学会会場・入退室管理AIを作成！　

はじめに

本記事では、Google AI Studioを活用し、学会会場における会員の入退室管理や講演聴講記録を自動で取得するAIエージェントを構築する方法を解説します。このシステムにより、会員の興味・関心をデータとして蓄積し、学会運営を「名簿管理」から「ネットワークマネジメント」へと進化させることが可能になります。プログラミングの知識は不要で、対話形式でAIに指示を与えるだけで、高機能な入退室管理システムを構築できます。

1. 構築するAIエージェントの概要

今回構築するのは、QRコードを用いて学会の会場や講演ごとの入退室を管理するシステムです。主な機能は以下の通りです。

•会場管理機能：複数の会場（例：メインホール、A会場、B会場）を登録し、管理対象の会場を選択できます。

•QRコード読み取り：カメラを起動し、参加者のQRコード（スマートフォンや名札）を読み取って入退室を記録します。

•複数会場対応：会場ごとに独立して入退室記録を管理できます。

•CSVダウンロード：会場ごとの入退室記録をCSVファイルとしてダウンロードし、データを二次利用できます。

2. 構築プロセス

ステップ1：使用ツールとプロンプトの準備

•使用ツール：Google AI Studio

•プロンプト：以下のプロンプトを用意し、構築を開始します。

「学会会場での会場別入退室管理アプリを作成してください。QRコードでの参加受付番号を読み取り、入室記録を作成します。会場を設定でき、各会場ごとに入退室管理を行えるようにしてください。」

ステップ2：初期バージョンの生成とレビュー

約1分半で初期バージョンが完成しました。会場の登録・選択機能とカメラの起動ボタンが生成されました。しかし、QRコードを読み取るとカメラが消えてしまい、連続してスキャンできない問題がありました。

ステップ3：機能修正①（連続スキャン対応）

QRコード読み取り後にカメラが消えないように、以下のプロンプトで修正します。

「読み取った後に続けて別の方がスキャンできるようにしてください。」

修正後、カメラが維持されるようになりましたが、QRコードをかざし続けると「入室」と「退室」が短時間で交互に記録されてしまう新たな問題が発生しました。

ステップ4：機能修正②（退室ロジックとCSVダウンロード機能）

入退室の誤記録を防ぐためのロジックと、データ活用のためのCSVダウンロード機能を追加します。

「退室記録は入室から5分後以上としてください。CSVダウンロード機能をつけてください。」

修正後、入室から5分以内の再スキャンでは退室が記録されなくなり、意図した通りの入退室管理が可能になりました。また、CSVダウンロードボタンが追加され、会場ごとの記録をエクスポートできるようになりました。

3. まとめ

本稿では、Google AI Studioを用いて、学会の入退室管理AIエージェントを構築するプロセスを紹介しました。このシステムを導入することで、どの会員がどの講演に興味を持っているかといった貴重なデータを収集・分析し、より会員のニーズに合った学会運営や、会員同士のネットワーキング促進に繋げることが可能になります。