AI活用で始める学会案内文作成のための実践ガイド
2025年08月19日
プロンプトの作成上の注意事項と生成AIに案内文の作成指示を出す具体的な文面となります。
AI プロンプト作成のポイント
各種文章や企画書の作成に共通するポイントでもありますが、5W3Hを押さえているかどうかが大切です。
①When (いつ):時期、時間、期間
②Where (どこで):場所、位置
③Who (だれが・だれに):人、組織、担当者、対象者
④What (なにを):内容、目的、対象物
⑤Why (なぜ):理由、目的、背景
⑥How (どのように):方法、手段、プロセス
⑦How much (いくら):費用、数量、予算
⑧How! (感動、感激):それがもたらす感動、共感、高揚感、記憶に残る体験
AIプロンプト作成の具体例テンプレート
AIに効果的な案内文を生成させるためには、具体的な指示が不可欠です。次のテンプレートを参考に、所属学会の状況に合わせて情報を入力して作成してみてください。
プロンプトテンプレート例
【設定】
「あなたは学会案内文作成のプロフェッショナルです。次の情報を基に、効果的な学会開催案内文の初稿を作成してください。読者の行動喚起を促し、SEOに配慮した文章構造を意識してください。」
[学会基本情報]
・ 学会名:[ex.〇〇学会]
・ 開催名称:[ex.第〇回〇〇学会全国大会]
・ 開催日時:[ex.2026年9月15日(月)~17日(水)]
・ 開催場所:[ex.〇〇大学〇〇キャンパス]
・ 開催目的・コンセプト:[ex.地域連携の強化、若手研究者の育成、最新研究成果の社会還元]
・ 主要テーマ:[ex.AIと倫理、持続可能な社会における科学技術の役割]
・ 対象読者層:[ex.大学教職員、企業研究者、大学院生、一般市民]
・ 文体・トーン:[ex.アカデミックかつ親しみやすい、専門的だが分かりやすい]
[行動喚起したいアクション]
・ [ex.演題登録(締切:2026年6月30日)]
・ [ex.参加登録(早期割引締切:2026年7月31日)]
・ [ex.懇親会参加申込]
・ [ex.企業ブース出展申込]
・ [ex.問い合わせ先への連絡]
[SEOキーワード]
・ [ex.〇〇学会、学術大会、開催、参加、発表、演題、申し込み、論文、研究、国際会議]
[その他含めたい情報]
・ [ex.過去大会の成功事例、会長(主催者)挨拶、交通アクセス、宿泊情報、特設サイトURL]
AI生成文のリライト時に重視すべき3つの観点チェックリスト
AIが生成した案内文を最終化する前に、次の3つの観点から人間が必ずチェック・修正を加えてください。
3.1. 「学会らしさ」の確認
(1)ユニークさ
諸族学会固有の専門性、歴史、雰囲気、そして主催者の熱意が表現されているか?
(2)差別化要素
他の学会案内文と差別化できる独自の要素(ex.地域貢献の実績、特定の研究分野における先進性)が盛り込まれているか?
(3)感情表現
会長や実行委員長の「生の声」「メッセージ」が、表面的な言葉ではなく、感情を込めて伝えられているか?
3.2. 感情的訴求力の強化
読者が「参加したい」「発表したい」と心から思えるような、情熱や期待感を抱かせる表現があるか? 参加することで得られる具体的なメリット(ex.著名研究者との交流、キャリアアップの機会、最新情報の獲得)が明確に、かつ魅力的に記述されているか?
「ワクワクする」「感動する」といった、読み手の感情を揺さぶる言葉やエピソードが適切に挿入されているか?
3.3.情報の正確性と網羅性
日時、場所、費用、申込締切など、すべての基本情報に誤りがないか?(ハルシネーションのチェック)
学会の目的、対象者、参加方法など、必要な情報がすべて網羅されているか?抜け漏れはないか?
Q&A形式で、参加者が抱きやすい疑問点(ex.参加費の支払い方法、託児所の有無)が事前に解消されているか?
※ハルシネーション(hallucination)
ハルシネーションとは、AI(特に生成AI)が事実に基づかない情報や、学習データには存在しないもっともらしい内容を生成してしまう現象を指します。日本語では「幻覚」や「でっち上げ」と訳されることもあります。
4.プロンプト実行後の出力サンプル
別紙に例示する「出力サンプル」に登場する、団体名や日時はプロンプトを実行するためのダミーです。実在する団体や場所とは一切関係ありませんのでご注意ください。
・・・・・(ここから)・・・・・
【設定】
「あなたは学会案内文作成のプロフェッショナルです。
次の情報を基に、効果的な学会開催案内文の初稿を作成してください。読者の行動喚起を促し、SEOに配慮した文章構造を意識してください。
また、国際的な学会であることを強調してください。」
[学会基本情報]
・ 学会名:国際医療AI研究学会
・ 開催名称:第10回国際医療AI研究学会全国大会
・ 開催日時:2026年9月18日(金)~20日(日)
・ 開催場所:国際医科大学千葉キャンパス
・ 開催目的・コンセプト:地域連携の強化、若手研究者の育成、最新研究成果の社会還元
・ 主要テーマ:AIと医療、持続可能な社会における医療技術の役割
・ 招待講演者:スタンフォード大学/Stanford Institute for Human-Centered AI(HAI)研究員/オリビア田中博士
・ 学会大会の開催形式:ハイブリッド開催
・ 特設サイト:①ホームページ https://www.ikaAIsoc.10taikai.jp ②Youtube https://youtu.be/XXXYYYZZZ
・ 対象読者層:大学教職員、企業研究者、大学院生、一般市民
・ 文体・トーン:文体はアカデミックでありながら、一般市民にも優しく参加を解放しているトーンでお願いします。文体は「です、ます」調
[行動喚起したいアクション]
・ 演題登録(締切:2026年6月30日)
・ 参加登録(早期割引締切:2026年7月31日)
・ 懇親会参加申込
・ 企業ブース出展申込
・ 問い合わせ先への連絡:ikaAIsoc.〇〇.jp
[SEOキーワード]
・ 医療学会、学術大会、開催、参加、発表、演題、申し込み、論文、研究、国際会議
[その他含めたい情報]
・ 過去大会の成功事例(前回[第9回大会]の発表論文50本/ポスターセッションでのポスター数120本/産官学連携プロジェクト7件発足/海外の大学・医療機関と4件の共同プロジェクト発足/協賛企業と団体は内外で180社)、会長(主催者)挨拶、来賓ご挨拶、交通アクセス、宿泊情報、特設サイトURL
・ 英文の案内も同時に作成してください。
・ 北里玄白 会長(主催者)からの熱いメッセージ
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二つの生成AIの出力例を参考にしてください。
補足コメント
2つの出力サンプルを比べて見ると、書式や言い回しが随分と違うことがわかると思います。どのようなスタイルが良いかは、委員会やワークグループで判断するのが良いでしょう。案内文や公的メッセージについての規定があれば、あらかじめプロンプトに詳細に指示文で盛り込んでおけば、出力形式もAIがそれに準じてくれます。
前回の大会や学術会議のスタイルを踏襲するのであれば「資料」として、使うAIに学習させることで細かい指示文を用意しなくても済みます。
AIへの学習のさせ方
実行するプロンプトの末尾に次のように入力します。
『尚、学会案内文のスタイルは前回の書式に従ってください。
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202X年〇〇学会 全国大会のご案内
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*****(ここまで)***** 』